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ラタム航空グループ、ブラジル法人も米国民事再生手続き申請

(ブラジル、米国、中南米)

サンパウロ発

2020年07月27日

ラタム航空ブラジル法人(以下、ラタム・ブラジル)は7月9日、新型コロナウイルス感染拡大の影響による事業悪化を理由に、米連邦破産法第11章(Chapter 11、日本における民事再生法に相当)の適用を申請した。7月9日付同社ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで明らかにした。

ラタム航空は、中南米最大の航空会社だ。ラタム航空グループでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で同グループ内のチリ、ペルー、コロンビア、エクアドル、米国の各法人が5月26日に米連邦破産法第11章に基づく法人再生法の適用を申請していた。しかし、同グループ内で5割の航空機を所有するラタム・ブラジルはその時点で、ブラジル経済社会開発銀行(BNDES)との融資交渉を進めていたため同申請に加わっていなかった。しかし、その後BNDESとの交渉が進展せず、今回、事業を継続しながらラタム航空グループと共に債務再編を進めるべく、米連邦破産法第11章の適用申請をするに至った。

ラタム・ブラジルが破産法第11章の適用申請を選択した理由はほかにもある。7月9日付現地「バロール」紙によると、破産法第11章が適用されれば航空機リース会社との巨額な負債も保護対象となるが、ブラジルの法的再建手続きである裁判上の再生手続き(Recuperacao Judicial)では同負債は対象とならない。同社は航空機リース会社と金融機関に対して70億レアル(約1404億円、1レアル=約20.06円)の負債を抱え、負債総額は130億レアル(約2,606億円)となる。グループ全体の引当金を含む負債総額は179億ドルとなる。

ラタム航空グループは今後、原則120日以内に再建計画を提出することになる。再生計画が認可されるかどうかは、DIPファイナンス(注1)の承認にかかっている。7月9日付現地「バロール」紙によると、ラタム・ブラジルのジェローム・キャジエルCEOは、「DIPファイナンスが承認されれば、交渉中のBNDESや金融機関からの融資が容易になる」との見方を示している。

ラタム航空グループは7月8日、米資産運用会社であるオークツリー・キャピタル・マネジメントから13億ドルの融資確保を発表した。同社はディストレクト投資(注2)を行う世界有数の資産運用会社として知られている。また、同グループ主要株主である財閥のクエト(チリ)およびアマロ(ブラジル)、カタール航空の3者はラタム航空グループが5月の法人再生手続きを申請した際に9億ドルの融資を発表している。

(注1)民事再生法、会社更生法の手続申立後から手続終結までの間に行う融資のこと

(注2)財務危機に陥っている会社の株式や社債を安価で買い取り、価値が上昇したところで売却する投資手法

(大久保敦)

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