上海市生活ごみ分別開始から1年、分別回収も徐々に定着

(中国)

上海発

2020年07月03日

上海市では2019年7月1日から、生活ごみをリサイクルごみ、有害ごみ、生ごみ、乾燥ごみの4種類に分類し、分別回収を開始した(2019年7月5日記事参照)。それから1年が経過したが、上海市は7月2日に開催された記者会見で、生活ごみの「三増一減」(これまで乾燥ごみとしてまとめて回収していたものを、リサイクルごみ、有害ごみ、生ごみの3種類で分別回収するようになった)の目標を実現したとしている。

6月時点での上海市の生活ごみの排出量をみると、乾燥ごみが前年同月比で減少した一方、リサイクルごみ、有害ごみ、生ごみは増加しており、ごみの分別回収が定着しつつあることが見て取れる(添付資料表1参照)。

生活ごみの分別回収が始まったタイミングで取り締まりも実施され、関係各部門が宿泊事業者や飲食サービス提供企業、その他企業や個人に対して、改善命令や教育指導、行政処罰などを行った(処罰状況は添付資料表2参照)。

また、上海市は一般市民向けにごみの分類を検索できるサイトを開設し、1年間の検索件数は2,946万件に上った。このうち、最も多く検索されたキーワードは牛乳パックで、次いで、プラスチック袋、鳥の卵の殻の順となっている(添付資料表3参照)。

写真 検索サイトの画面(ジェトロ撮影)

検索サイトの画面(ジェトロ撮影)

一方で、処理能力は不足している状況にある。上海市で排出される生ごみは1日当たり約9,600トンだが、処理能力は5,050トンにとどまる。上海市緑化市容局の鄧建平局長は「2020年中に生ごみの処理能力を増強し、1日当たり7,000トン処理できるよう目指す」としている。

(高橋大輔)

(中国)

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