商業施設の賃料負担軽減に向けた措置を導入へ

(スイス)

ジュネーブ発

2020年07月13日

スイス連邦参事会(内閣)は7月1日、国民議会と全州議会における動議を受け、新型コロナウイルスの影響により閉鎖や行動制限措置の対象となったテナントの賃料負担の均衡を図るための法案策定に向けた関係者へのコンサルテーションを開始したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。営業ができなかった期間分の店舗や商業施設の賃料についてテナント側が40%、家主側が60%を負担する内容。連邦参事会は8月4日にコンサルテーションを終了し、9月中旬までに国会に法案を提出する見通し。主な内容は以下のとおり。

  • 対象は、行動制限措置による閉鎖または行動制限により営業ができなかった商業施設とする。期間は、2020年3月17日から2022年12月31日まで。
  • テナントは、閉鎖期間中の賃料の40%を負担する。健康関連施設は、行動制限措置期間のうち最大2カ月分を対象とする。
  • 同法の対象となる賃料月2万スイス・フラン(約220万円、CHF、1CHF=約110円)以下の契約。1万5,000フランから2万フランまでの賃料の施設については、テナントおよび家主双方の合意により、法律とは別の合意をすることができる。
  • 賃料負担を強いられたことにより、経営に困難をきたした家主側事業者は、連邦住宅局(OFL)に補助を申請することができる。

なお、生活必需品は店舗閉鎖命令が出ていないため、本法案の対象外となっている。新型コロナウイルスの影響による行動制限措置の対象となった商業施設の賃料軽減策については、既に幾つかの州で、家主による一部放棄を条件として独自財源による手当が講じられており、連邦議会でも、全国レベルでのテナントの負担軽減に向けた立法が要請されていた。

(和田恭)

(スイス)

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