湖北健康コードが中国30省・市でも有効に

(中国)

武漢発

2020年07月17日

中国の湖北省疾病予防コントロールセンター(以下、センター)は7月12日、同省で運用されているスマートフォンの健康管理アプリ「湖北健康コード」(以下、湖北コード)が中国内の30省・市(注1)でも利用可能になったと発表した。

写真 湖北健康コード(ジェトロ撮影・加工済み)

湖北健康コード(ジェトロ撮影・加工済み)

湖北コードは、申請者が新型コロナウイルスに感染しているリスクを「緑」「黄色」「赤」の3色のQRコードで示したもので、スーパーマーケットやコンビニエンスストアへの入店、オフィスビルへの入場、地下鉄やバスなどの公共交通機関の利用時に提示が求められる。これまで、湖北コードは省内でのみ有効だったが、今後は、当人が低リスク地域(注2)に居住していること、検温の結果が正常なこと、十分なウイルス予防対策を行っていることなどを条件に、30省・市でも(緑)コードを提示することで、自由な通行が可能となる。また、センターによれば、PCR検査による陰性証明書を別途提示する必要もなくなる。

移動の円滑化が進む一方で今後の運用実態に懸念も

これまで、湖北省から他地域へ移動する際は、その地域で有効な健康管理アプリをあらためて申請するか、PCR検査による陰性証明書を提示する必要があった。湖北コードが他地域でも有効になったことで、出張などでの湖北省から地域外への移動の円滑化や利便性の向上が期待される。ただ、湖北省に進出する日系企業からは「居住する社区(コミュニティ)から『湖北省の外に出る際は、引き続き陰性証明書を所持した方がいい』と助言されている」「宿泊予定のホテル(湖北省外)から陰性証明書を持ってくるように求められている」といった声が聞かれる。場合によっては、移動先の社区や開発区、ホテルなどから陰性証明書などの提示を求められる可能性も排除できないことから、適宜、確認を取るなど慎重な対応が必要となる。

(注1)北京市、天津市、河北省、山西省、内モンゴル自治区、遼寧省、吉林省、黒竜江省、上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、福建省、江西省、山東省、河南省、湖南省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、重慶市、四川省、貴州省、雲南省、チベット自治区、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、新彊ウイグル自治区

(注2)新型コロナウイルスの感染リスクを、各省・市内の地区単位で示したもの。低リスク、中リスク、高リスクの3段階から成り、中リスク以上になると人の往来が制限される

(片小田廣大)

(中国)

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