4月の産業活動指数、「新型コロナ禍」の影響で歴史的な落ち込みに

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年07月10日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は6月29日、4月の産業活動指数が前年同月比で26.4%減、前月比で17.5%減(季節調整済み)になったと発表した(添付資料図参照)。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、アルゼンチン政府は3月19日に外出禁止令を発出し、4月はその影響を受ける最初の月となった。

産業別にみると、全産業項目の全てでマイナスとなった(添付資料表参照)。最大の減少幅を記録したのは建設業(86.4%減)で、ホテル・レストラン(85.6%減)や製造業(34.4%減)、商業(27.0%減)も大きく減少した。厳格な外出禁止措置が深刻な経済活動の停滞を招く結果となった。

今後の見通しについて、5月以降は4月と比較して回復が見込まれるが、前年同月比ベースでは引き続き2桁の減少となることが予想される。感染が引き続き拡大しているブエノスアイレス市と近郊のブエノスアイレス州40都市で構成するブエノスアイレス首都圏(AMBA)などでも、工場や商店の活動が再開されているからだ。

6月29日付の現地紙「インフォバエ」によると、現地エコノミストは、2020年の実質GDP成長率の見通しについて、2001年にアルゼンチンがデフォルトした直後の2002年よりも深刻となる「マイナス12~13%」と見込んでいる。場合によってはマイナス13~14%と1900年以来の落ち込みになるとする見方もある。現地民間調査会社エコラティーナは、6月29日付の同社のレポートで、2020年の実質GDP成長率をマイナス11.5%と予測している。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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