カンボジアと中国がFTA交渉妥結

(カンボジア、中国)

プノンペン発

2020年07月30日

カンボジア商業省と中国商務部は7月20日、2国間自由貿易協定(FTA)の交渉が妥結したことを発表した。交渉妥結の発表は、カンボジア商業省パン・ソラサック大臣と中国商務部鐘山部長ほか、両国関係者によるテレビ会議にて行われた。共同声明によると、このFTAは物品貿易、原産地規則、税関手続き、貿易円滑化、貿易の技術的障壁、衛生植物検疫措置、サービス貿易、投資協力、経済技術協力、電子商取引の幅広い領域が含まれる。両国は2020年内の署名を目指すとしている。

両国大臣は、2019年末の交渉開始からわずか半年という短期間で妥結に至ったことは、カンボジアと中国の連携の強さを示すと高く評価。パン商業相は、「FTA交渉の妥結は2国間関係を発展させるマイルストーンになる」と述べた。また、鐘山商務部長は、「2020年は、両国間の包括的パートナーシップ締結から10年という節目であり、今回の合意は1958年から続く両国の伝統的かつ協力的関係を反映している」とした。

カンボジア商業省によると、2019年のカンボジアと中国の貿易額は前年比24.4%増の93億6,000万ドルと、全体の25.1%を占め、カンボジアにとって中国は最大の貿易相手国だった。FTAによって両国の2国間貿易は2023年までに100億ドルを目指すとしている。カンボジア縫製業協会(GMAC)のケン・ルー事務局長は、「このFTAによってカンボジアから中国への輸出は20%以上増加する見込みだ」とし、同時に、「衣料品、履物、旅行用品、電子機器、その他の産業への原材料供給への投資が増える」と述べた(「プノンペン・ポスト」紙7月21日)。

(井上良太)

(カンボジア、中国)

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