豪とNZ、第2四半期CPI(消費者物価指数)がマイナスに転じる

(オーストラリア、ニュージーランド)

シドニー発

2020年07月31日

オーストラリア統計局(ABS)は7月29日、2020年第2四半期(4~6月)の消費者物価指数(CPI)が前期比1.9%低下したと発表し、四半期ベースでは統計開始以降72年間で最大の落ち込みを記録した。前年同期比では0.3%低下となり、1998年以来22年ぶりのマイナスとなった。

マイナスとなった主な要因は、ガソリン価格の大幅な下落(19.3%低下)や、連邦政府および州政府による新型コロナウイルス関連の支援策によるもので、7月12日まで実施されていたチャイルドケア(保育制度)の無償提供、一部の州における就学前および初等教育の無償提供が影響したという。ABSは、これら3つの要素を除けばCPIは0.1%上昇していたと分析している。

また、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当初、国内各地で発生した買い占めによって、トイレットペーパー価格が4.5%上昇したほか、外出制限の影響から、清掃・メンテナンス用品(6.2%上昇)、家具(3.8%上昇)、家電(3.0%上昇)、音響・映像機器・コンピューター(1.8%上昇)などで顕著な上昇が見られた。

ニュージーランドでは2015年以来のマイナス

ニュージーランド統計局は7月16日、2020年第2四半期のCPIが前期比0.5%低下したと発表した。主に、ガソリン価格(12%低下)やホテルなどの宿泊料(14%低下)が大幅に下落したことによるもので、2015年第4四半期(10~12月)以来のマイナスを記録した。前年同期比では1.5%上昇となり、2020年第1四半期(1~3月)に記録した2.5%から大きく低下した。

(住裕美)

(オーストラリア、ニュージーランド)

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