米ロサンゼルス市など、新型コロナウイルス影響下でも最低賃金を引き上げ

(米国)

ロサンゼルス発

2020年07月08日

ロサンゼルス市など米国カリフォルニア州の各自治体は7月1日、最低賃金を引き上げた(注)。ロサンゼルス市の場合、従業員が26人以上の場合には時給15ドル(6月末までは14.25ドル)、25人以下の場合には14.25ドル(13.25ドル)に改定された(添付資料表1参照)。2021年7月1日には、25人以下の企業についても15ドルへの引き上げを予定している。

カリフォルニア州は、2023年までに州全体の最低賃金を15ドルへと段階的に引き上げる予定だ(添付資料表2参照)。ただ、ロサンゼルス市など、州内には現時点で15ドル以上の最低賃金を定めている自治体があるため、これら地域に所在する企業は注意が必要だ。サンタモニカ市(15ドル)やパサデナ市(15ドル)、サンフランシスコ市・郡(16.07ドル)など7月1日に改定を実施したほぼ全ての自治体で、最低賃金は15ドルを超える(いずれも従業員26人以上の場合)。

カリフォルニア州での新型コロナウイルス感染拡大により、多くの企業の経営状況が悪化する中、州内の事業者からは最低賃金の引き上げの延期を求める声が出ている。ロサンゼルス郡は郡内88市を除く、市制化されていない地域の最低賃金の引き上げの延期を検討していると報道されていたが、最終的には予定どおり7月1日に引き上げを実施した。

(注)最低賃金の改定時期が、州と同様に1月の自治体もある(「カリフォルニア州労働関係法2020年の主なトピック」参照)。

(浅井康孝)

(米国)

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