世界人工知能大会が上海で開催、オンラインでライブ配信

(中国)

上海発

2020年07月17日

7月9~11日まで、2020世界人工知能大会(WAIC)が上海で開催された。「智聯世界、共同家園(インテリジェントコネクティビティー、不可分のコミュニティー、Intelligent Connectivity, Indivisible Community)」をテーマとした今回、多くの登壇者が上海国際博覧会文化センターに集まる中、一般参加者は新浪(Sina)や愛奇芸(iQiyi)といった動画サイトを通じたオンライン形式での参加となった。主催者によると、オンライン形式で合計1億1,500万人が参加したという。今大会で発表された情報や新技術の活用シーンを紹介するオンラインサイトでは、7月11日午前10時までの累計閲覧回数が200万回を超えた。

李強・中央政治局委員、上海市委書記は開幕式の祝辞で、「国内外のパートナーと協力し、オープンイノベーション、産業発展、都市ガバナンス、ライフスタイルのプラットフォームの連結を進める。人工知能(AI)は、人類の文明の進歩や相互協力・交流を促すために生まれた。新型コロナウイルス感染症はわれわれに命の価値を気付かせ、AIなどの新技術とリンクする価値なども感じさせた。新型コロナウイルス感染症がまん延する中、世界各国のさらなる協力が必要となる」と述べた(世界人工知能大会公式サイト2020年7月9日付)。また、2019年に巨大な上海工場を建設、稼働したテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、ビデオによる基調講演を行った。「AIはセンシング(感知)の面では著しく成長しているが、認知能力はまだ低い」とその現状について言及しつつ、中国で今後、完全自動運転である自動運転レベル5の実現や自社製AIチップの開発、エンジニアチームの立ち上げなどを展開していくことを明らかにした。

「人工知能(AI)の可能性と担うべき責任」について議論する円卓会議には、朱民・清華大学国家金融研究院院長、蘇世民・米国ブラックストーングループ董事長、陳傑・同済大学学長、瀋向洋・清華大学教授、張文広・復旦大学付属華山医院感染科主任が参加した。会議の中で、張文広氏は「今回の新型コロナウイルス対策において、人工知能が政府のスマート管理を助けているが、中国の疫病統制は伝統的な知能と都市管理によって実現したものだ」と発言した。

(侯恩東)

(中国)

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