7月中旬までの1カ月で雇用者数1.1%減

(オーストラリア)

シドニー発

2020年07月31日

オーストラリア統計局(ABS)は7月28日、オーストラリア国税庁(ATO)のデータを利用した最新の調査結果を発表し、6月13日から7月11日までの約1カ月間で雇用者数が1.1%減少したことを明らかにした。新型コロナウイルスの感染が再拡大し、7月に入って以降、州都メルボルンで外出制限措置を実施しているビクトリア州では、同期間中の雇用者数が2.2%減少した。

ABSは、新型コロナウイルス感染拡大による影響を測定するため、ATOが運用する給与情報の電子申告システム(シングル・タッチ・ペイロール)に登録されたデータを用いて調査を実施している。3月14日から7月11日までの間に、オーストラリア国内で給与の支払いを受けた雇用者数は5.6%減少し、企業が支払った給与総額は4.8%減少した。ただし、最も落ち込みが大きかった時期は、雇用者数については4月中旬、給与総額については5月下旬であり、ABSによると、7月中旬までに約35%の雇用が回復したという。

産業別にみると、6月13日から7月11日までの間に雇用者数が最も回復したのは芸術・レクリエーション業で、7.5%増となった。ただし、3月14日以降の雇用者数は16.3%減少しており、宿泊・飲食サービス業(18.1%減)に次いで減少幅が大きかった。また、3月14日以降、給与総額が最も減少したのは鉱業で、22.6%減となった。不動産業への影響も大きく、3月14日以降、雇用者数は9.2%減少し、給与総額は11.8%減少した。

州別にみると、3月14日以降の雇用者数の減少は、ビクトリア州が7.3%減と最も大きく、タスマニア州(6.8%減)、首都特別地域(6.4%減)、南オーストラリア州(5.5%減)が続いた。給与総額の減少は、西オーストラリア州が7.0%減と最も大きく、次いで、タスマニア州(6.9%減)、ビクトリア州(4.8%減)、クイーンズランド州(4.7%減)の順に大きかった。

(住裕美)

(オーストラリア)

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