イングランドで日本を含む59カ国・地域からの入国者に自己隔離を免除、7月10日から

(英国)

ロンドン発

2020年07月06日

新型コロナウイルス対策をめぐり運輸省は7月3日、日本を含む59カ国・地域(7月5日時点)からイングランドに入国する渡航者に対し、7月10日から入国時の自己隔離を免除することを発表。免除対象国の一覧外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した。政府は輸入感染を防ぐ目的で、6月8日から入国者に滞在先の事前登録や14日間の自己隔離を義務付けてきたが(2020年5月25日記事参照)、これに航空・旅行業界などが猛反発。差し止めを求める訴訟に加え、閣内や与党議員からも緩和を求める声が挙がっていた。

ジブラルタルやケイマン諸島など、英国の海外領土からの渡航者も免除する。英国と共通旅行区域(CTA)を形成するアイルランド、チャンネル諸島、マン島からの渡航者も、引き続き英国全域で入国時の自己隔離を免除する。一方、欧州域内でもスウェーデン、ポルトガル、ルーマニアなど複数の国は免除されなかった。

免除対象国からイングランドに入国する場合でも、到着前14日以内にリストに含まれない国に入国ないし立ち寄った場合は、それら免除対象ではない国を出国してから14日経過するまでは、イングランド入国後に自己隔離する必要がある。渡英前にオンラインフォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで英国滞在先などを登録することは、免除対象国からの入国者を含め、引き続き全入国者に義務付ける。

スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの各自治政府との協議をまとめきれず、イングランドのみ先行して実施することになった。いずれの自治政府も近く独自の免除措置を発表するとみられるが、対象国は異なる可能性もある。イングランドでも、免除対象国は各国の感染状況などを踏まえて随時見直される。

海外渡航勧告も緩和

水際対策緩和の発表と同じ7月3日、外務省は3月17日から渡航先を問わず一律に発出していた「不要不急の渡航中」勧告について、翌4日から日本を含む数十カ国・地域外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを例外とすることを発表。夏季休暇シーズンを前に、関連業界などにも配慮した格好だ。なお、日本は現在、英国を入国拒否対象地域のままとしている。

一方で、国内では感染第2波への懸念もくすぶる。政府は再び感染が拡大しているイングランド中部レスターとその周辺地域で6月30日から、初めて地域限定のロックダウンを実施。生活必需品以外の小売店を再び閉鎖し、7月4日から店舗営業再開が認められた飲食店やホテルは閉鎖を続けている。出入国規制を大幅に緩和しても輸入感染を阻止できるか、微妙なかじ取りが続く。

(宮崎拓)

(英国)

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