新型コロナ感染リスクが高い16カ国からの入国規制を強化

(フランス)

パリ発

2020年07月28日

フランスのジャン・カステックス首相は7月24日、国内の新型コロナウイルス感染の再拡大を受け、入国規制を強化すると発表した。感染リスクが高い16カ国からの入国者全員にPCR検査の実施を義務付ける。

高リスク国に認定された16カ国は、米国、バーレーン、パナマ、南アフリカ共和国、クウェート、カタール、イスラエル、ブラジル、ペルー、セルビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、トルコ、マダガスカル、インド、オマーン。

首相は、これら16カ国から入国できるのはフランス国籍を有する者、あるいはフランスに住居を構える者に限られるとした上で、入国者全員に空港でのPCR検査の実施を義務付けた(注)。陽性反応者は地方衛生局(ARS)の管理の下、14日間の自宅隔離を行う。

これに伴い、シャルル・ド・ゴール空港の1日当たりの検査能力を8月1日までに3,000人に引き上げる。高リスク国から航空便が到着する国内の他の空港でも同様に対応する。首相はまた、感染症が拡大するスペイン・カタルーニャ州への移動を自粛するよう国民に求めた。

23日付の連帯・保健省の発表によると、国内感染者数は1週間で26%増加し、1日当たりの新規感染者数は1,000人を超えた。衛生緊急事態宣言が10日をもって解除された後、国内の空港では海外からの到着者のうち希望する者にPCR検査を実施していたが、国内感染が再び拡大する中、外国からの入国者に対するPCR検査や隔離の厳格化など、規制強化を求める声が強まっていた。

なお、政府は7月17日付の政令(デクレ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により、7月20日から公共交通機関やレストラン、映画館、ホテルなどに加え、小売店、ショッピングセンター、銀行や行政機関など公共の屋内施設でのマスク着用を義務付けた。違反者には135ユーロの罰金が科される。

(注)米国、バーレーン、パナマ、UAEからの入国には、出国の72時間以内に発行されたPCR検査の陰性証明書が必要となる。証明書を所持しない者は、フランス行きの航空機に搭乗できない。

(山崎あき)

(フランス)

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