サンパウロ市、新型コロナ感染者専用の野外病院を閉鎖

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年07月03日

サンパウロ市は6月29日、新型コロナ感染者の入院患者数が減少したとして、市内西部のサッカースタジアム内に建設されたパカエンブー野外病院を閉鎖した。なお、同病院に入院中だった患者5人は市北部のアニェンビー野外病院に移送された。

パカエンブー野外病院は、市内の新型コロナウイルス感染者数の拡大に伴い、2,300万レアル(約4億5,460万円、1レアル=約19.77円)かけて建設され、4月6日から患者を受け入れていた。サンパウロ市は6月24日、同病院にはこれまで1,500人が入院し、うち99.8%が既に退院し、1人当たりの入院コストは1万5,300レアルだったと発表している。

記者会見を行ったブルーノ・コーバス・サンパウロ市長によると、パカエンブー野外病院は、入院患者の減少に伴い野外病院を約1カ月前倒しで閉鎖した。同病院の運営管理は国内有数の私立病院であるアルベルト・アインシュタイン病院が行い、同市との契約では7月末までが運営予定だった。なお、今回新型コロナウイルス感染拡大に備えて集中治療室(ICU)ベッド数1,340床、診療ベッド数1,984床を新設したが、現在の同占有率は48%で、6月1日以降ベッド占有率が低下傾向を示し、過去10日間では50%未満になっていた。

パカエンブー野外病院の運営管理を行ったアルベルト・アインシュタイン病院は、同病院に設置されていた人工呼吸器、医療モニター、血糖値測定器、オキシメーター、ICUベッドなど700万レアル(約1億4,000万円)相当の医療資機材などを、市内で死亡率が高い東部地区に所在する3つの市立病院に寄贈することを発表している。

ブラジル全体としては、新規感染者数の増加は依然として続いているが、新規死亡者数の増加率は鈍化してきている。今回の野外病院の閉鎖は、当初、国内で感染拡大が最も激しかった南米最大の都市サンパウロ市で感染拡大が落ち着きを見せてきたことを象徴するニュースとして報道されている。しかし、現在はこれまで感染者数が少なかったサンパウロ州内陸部、他の内陸州や地方都市で感染拡大が目立っており、いまだ予断を許さない状況となっている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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