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経済省、政府税制改革案の第1弾を議会に提出、新税導入も

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年07月31日

ブラジル経済省は7月21日、税制改革法案を議会に提出した。税制改革は、社会保障制度改革法や公務員制度改革などと並び、ジャイール・ボルソナーロ政権の最優先経済アジェンダの1つだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で法案提出が先送りとなっていた。ブラジルの複雑で高率な税制はいわゆる「ブラジルコスト」の典型とされており、税制改革は企業や金融市場、国際投資家らにとっても長年望まれて来たものだ。

税制改革法案のポイントは、財とサービスに対する付加価値税としてCBS(Contribuição sobre Bens e Serviços、財サービス負担金)という新税を制定し、従来、法人の売上高に応じて課税してきたPIS(社会統合基金)とCOFINS(社会保険融資負担金)をこれに吸収し置き換えるものだ。

ブラジルの課税システムは、生産過程の段階ごとに租税を累積して徴税しているが、CBSの創設により、従来の租税の累積性を撤廃することが可能となる。

CBSの税率は一律12%とされるが、保健衛生や交通機関などの公共サービス、基礎食料品の分野についてはCBSを免除する。また、銀行や保険会社、金融機関には5.8%の税率を適用し、他業種の12%と比べ低率だが現在の4.65%の税率と比較すれば増税となる。

今回の政府案はCBSの創設を主としたもので、包括的なものとはなっていないが、政府としては、今後、段階を追ってIPI(工業製品税)の簡素化、IRPJ(法人税)やIRPF(個人所得税)の見直し、電子取引(デジタル決済)に対する課税などについて法案を提出していく予定だと表明している。

また、税制の複雑さの原因の1つとして指摘されることの多い州税のICMS(商品流通サービス税)と市税のISS(サービス税)は、現段階ではCBSへの統合対象から除外されているが、引き続き連邦政府は州知事や市長らと議論を継続し、その上で議会の審議へ委ねることとしている。

税制改革法案は、今回提出された政府案と、2019年に既に上院と下院にそれぞれ提出されていた議員提出案の3案がそろうこととなった。議会内にできる上下両院の混合委員会(comissão mista)でこれら3案を分析した上で、2020年内に最終原案が作られる見込みだ。

包括的な税制改革が実現するには道のりはまだ長いが、税制改革に1歩を踏み出したことは評価される。

(岩瀬恵一)

(ブラジル)

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