ピニェラ大統領、就任後5度目の閣僚交代を発表
(チリ)
サンティアゴ発
2020年07月30日
チリのセバスティアン・ピニェラ大統領は7月28日、就任後5度目となる閣僚交代を発表した(添付資料表参照)。今回注目されるのは、内相をはじめとする主要閣僚を交代させた点、与党連合に所属する2大政党の独立民主同盟党(UDI)と国民革新党(RN)の重要人物が名を連ねている点に加え、国会議員から4人が入閣した点だ。
前回の閣僚交代からわずか2カ月足らずで交代を行った背景には、7月29日付「エル・メルクリオ」紙によると、きっかけとなった2つの法律があるとしている。1つ目は、政府が主導して制定された国会議員や市長などの公職の再選を制限する法律で、現職議員からの反対の声も強かったことから、大きな波紋が広がった。
2つ目は、確定拠出型年金(AFP)から加入者が積立額の10%の引き出し可能とする法案だ。同法案について、政府は一貫して反対の姿勢を維持していたが、野党議員のみならず与党連合の一部の議員も同法案への賛成票を投じたことにより、上下院において可決され、近日中に公布の予定となっている。今回の閣僚交代には、これらの法律の影響で弱まった与党連合内の団結力を回復させる狙いがあるとみられている。
(岡戸美澪)
(チリ)
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