カナダ連邦政府、植物性タンパク質生産工場の新設に1億カナダ・ドル融資

(カナダ)

トロント発

2020年07月01日

カナダのジャスティン・トルドー首相は6月22日の定例会見で、豆やキャノーラ(菜種の一種)を原料とする植物性タンパク質の生産を行うメリット・ファンクショナル・フーズ(本社:マニトバ州ウィニペグ)の工場新設に、連邦政府が約1億カナダ・ドル(約79億円、Cドル、1Cドル=約79円)を融資すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新工場は延床面積9万4,000平方フィート(約8,733平方メートル)で、2020年内の稼働を予定している。同社によると、同工場は食用のキャノーラ由来タンパク質を量産する世界初の施設となるという。工場の新設により、年内に80人の新規雇用に加え、向こう3年間で175人以上の雇用が見込まれている(6月22日付同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよび農務・農産食品省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

連邦政府は、農務・農産食品省のアグリイノベーティブ・プログラムから1,000万Cドル、農業融資公社のファーム・クレジット・カナダから2,500万Cドル、カナダ輸出開発公社から5,500万Cドル、連邦政府が推進するスーパークラスター構想でタンパク質産業の振興を担う機関プロテイン・インダストリー・カナダから920万Cドルの合計9,920万Cドルの融資を行う。

トルドー首相は、「世界で植物由来製品の消費が増えるにつれ、カナダのイノベーションと農作物を結び付ける機会と優れた雇用創出の機会が生まれる」とコメントした。また、メアリー・エング中小企業・輸出振興・国際貿易相も「連邦政府やカナダ輸出開発公社は、今回のような革新的な事業が世界的発展を遂げることを支援している」と述べた。

プロテイン・インダストリー・カナダのレポートによると、世界の植物性タンパク質市場は2018年の80億ドルから2023年までに148億ドルと年平均5.9%で拡大すると予測されている。メリット・ファンクショナル・フーズは2020年1月に食品大手ネスレと植物性タンパク質食品の共同開発契約を結んでおり、他社との連携にも力を入れている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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