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新型コロナウイルスは人類最大の危機、リー首相がテレビ演説

(シンガポール)

シンガポール発

2020年06月10日

シンガポールのリー・シェンロン首相は6月7日夜、テレビ放送による国民に向けた演説で、新型コロナウイルスは「人類が直面する最大の危機」だが、それでもシンガポールが明るい未来を獲得することは可能だと訴えた。

リー首相は「現世代最大の危機を乗り越える」と題した演説の中で国内経済への影響について、大小全ての企業が大きな打撃を受け、その多くが存続のために再編を余儀なくされ、解雇や失業も増えるなど、「向こう2~3年は全ての人にとって、破壊的で厳しい時代となる」との認識を示した。それでもシンガポールが危機を乗り越えられる理由として、(1)経済力と長年培った国際評価、(2)官民の未来経済委員会(注)が推進してきた経済変革を先んじての推進、(3)一部の国が門戸を閉ざす一方、同国が引き続き人材と投資を維持し誘致するために努力している点を挙げた。

また、同首相は対外的な課題として米中問題を挙げ、「新型コロナウイルスは米中関係を悪化させた」と指摘し、シンガポールのような小国にとって厳しい世界となるとの見方を示した。さらに、同国と同じような考えを持つ国々と「自由貿易と多国間主義を支え、世界における発言力と影響力を拡大していきたい」と強調した。

2021年4月までに実施の次期総選挙、7月にも前倒し実施の観測高まる

リー首相の今回の演説に続いて今後2週間、5人の閣僚が新型コロナウイルスに伴う長期的な社会、経済の取り組みと今後の戦略について話す予定だ。ローレンス・ウォン国家開発相兼第2財務相が6月9日に演説したのに続き、テオ・チーヒエン上級相兼国家安全保障調整相が11日、チャン・チュンシン貿易産業相が14日、ターマン・シャンムガラトナム上級相兼経済・社会政策調整相が17日、ヘン・スイキャット副首相兼財務相が20日に、それぞれテレビ演説する。

シンガポールでは2021年4月までに実施予定の次期総選挙が7月にも前倒しで実施されるとの観測が高まっている。ヘン副首相は5月27日、総選挙を早期に実施できれば、新型コロナウイルス対策に早く専念できると語り、前倒し実施の可能性に言及していた。

同国で6月7日までに確認された新型コロナウイルス感染者は3万7,910人に上った(うち、25人死亡、3人重篤、2万4,886人回復)。

(注)未来経済委員会は向こう5~10年先の経済戦略を立案、実行するために2016年1月に発足し、2017年2月にイノベーションやデジタル化などを柱とする経済戦略を提言した(2017年2月27日記事参照)。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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