米ダラス連銀管轄域内の石油・ガス生産事業者の8割が生産を停止または削減
(米国)
ヒューストン発
2020年06月26日
米国テキサス州のダラス連邦準備銀行は6月24日、同銀行が管轄する地域(テキサス州、ルイジアナ州北部、ニューメキシコ州南部)に本社または事業所を置く石油・ガスの生産事業者および油田・ガス田サービス事業者に対して、6月10~18日に実施したアンケート結果を公表した。アンケートに回答した事業者の総数は168事業者で、内訳は115の生産事業者および53のサービス事業者だ。
2020年第2四半期に生産停止または減産を行っているかとの質問について、回答した108の生産事業者のうち82%に相当する89事業者が生産を停止または減産をしており、その理由として原油価格の低迷を挙げた事業者は94%におよんだ。また、71%の事業者が6月時点においても生産停止または減産していると回答した。
現在生産停止または減産している油田・ガス田の大部分を回復させる時期については、6月中と回答したのが36%で、7月は20%、8月18%、9月14%と続いており、残りの13%は11月以降と回答した。また、その際の追加費用の有無については、若干の追加費用がかかるとの回答が61%で最も多く、多額の追加費用がかかるとの回答は11%、追加費用はかからないとの回答は27%だった。
さらに、米国で大部分の生産事業者が生産を再開するようになる原油価格帯を聞いたところ、1バレル当たり36~40ドルに達した時との回答が30%で、41~45ドルが27%、46~50ドルは18%、31~35ドルは15%となっている。
また、新型コロナウイルスの感染拡大以前の状態まで原油消費が回復する時期については、2022年以降との回答が36%で最も多く、掘削・坑井仕上げ作業が新型コロナウイルス感染拡大以前のレベルまで回復する時期についても、2022年以降との回答が39%で最も多かった。
なお、全米の原油生産量は3月末時点の日産1,300万バレルから、6月12日時点で1,050万バレルと約20%の減産が進んでおり、WTI原油の8月先物価格は6月24日時点で1バレル当たり38.01ドルとなっている。
(中川直人)
(米国)
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