長江デルタ地域で水素物流モデルルートの構築が始まる

(中国)

上海発

2020年06月15日

浙江省湖州市で6月5~6日、「2020長江デルタ地域主要指導者座談会」(以下、座談会)が開催された。中国共産党上海市委員会の李強書記をはじめ、長江デルタの1市3省から書記と省長が出席、「長江デルタ一体化発展重大協力事項」として、19項目のプロジェクトが調印された(案件一覧は添付資料参照)。

前年の座談会が開催された直後の2019年5月24日、中国汽車工程学会が「長江デルタ水素ベルト建設発展計画」を発表した。今回、調印された「長江デルタエネルギーインフラ施設一体化の協力枠組み」の中には、「長江デルタ水素エネルギー物流モデルルートを構築する」という項目が含まれている(添付資料14項目)。

6月5日、トヨタ自動車が中国第一汽車、東風汽車集団、広州汽車集団、北京汽車集団、北京億華通科技と商用車用の燃料電池システム開発をすべく「連合燃料電池システム研究開発(北京)」の設立にかかる合弁契約を締結した。2020年中に北京市に設立を予定する。

また同じく6月5日、「中国(浙江)自由貿易試験区嘉興連動イノベーション区建設にかかる実施方案」(以下、方案)が発表された。方案では、工業副産物の水素エネルギー資源を豊富に有する嘉興港区が、人材、技術と産業資源を有する浙江大学および清華大学との協力で、「嘉興水素エネルギー産業モデル区」を構築するとされる。

商用車を中心とした燃料電池車(FCV)市場の拡大とともに、長江デルタ地域を中心に水素関連インフラの整備も進みつつある。中国における水素経済の実現に向けた取り組みが着々と進められている。

(高橋大輔)

(中国)

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