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国際開発省と外務省を統合、開発援助政策の見直しへ

(英国)

ロンドン発

2020年06月17日

英国政府は6月16日、政府開発援助(ODA)の政策立案と実行を担う国際開発省(DFID)と外務・英連邦省を統合することを発表した。9月初旬の新設を目指し、直ちに統合作業を開始する。名称は外務・英連邦・開発省(Foreign, Commonwealth and Development Office)となる予定で、ドミニク・ラーブ現外相が新省のトップに就く予定。

両省の統合は英国の対外政策を一体化するのが目的で、2020年2月から着手している外交・国防・開発援助政策の包括的な評価結果を踏まえ、今秋にも新省の目標を具体化する。ボリス・ジョンソン首相は同日の議会演説で、「英国は世界3位のODA予算と外交ネットワークを持つ。ほかに比類なきこれらの資産を最大限有効に活用する責任がある」と発言。首相によると、DFIDの予算規模は外務省の4倍以上。首相就任以前から、巨額の援助資金が外交政策と緊密に連動せず拠出されていることに疑問を呈しており、統合は時間の問題とみられていた。

政府は同日、国際通商省(DIT)が貿易・投資促進のため世界各地域に派遣している貿易コミッショナーが、世界各国の英国大使の権限の下に入ることも発表。通商活動も含め、対外政策の一元化を急ぐ。

ODA拠出国は抜本的に見直し

政府は同日の記者発表の中で、英国が先進7カ国(G7)で唯一、国連目標である国民総所得(GNI)比0.7%以上のODA拠出を実現していることを強調。この目標は今後も堅持すると確約した。他方、拠出する国や地域は、抜本的に見直す考え。ジョンソン首相は演説で「ザンビアに対し、欧州の安全保障に極めて重要なウクライナと同規模の援助資金を供与している。タンザニアには、ロシアの干渉に対して脆弱(ぜいじゃく)な西バルカン6カ国への援助の10倍のODAを投じている」などと述べ、特に安全保障政策との連動を重視する可能性を示唆した。

アフリカなど英国ODA拠出の主要地域では、今後は一層、民間資金の動員に力点が置かれることになりそうだ。英国政府が2020年1月20日にロンドンで開催した英国アフリカ投資サミットの会議後の声明では、金融街シティとの連携を含む持続可能なファイナンスの動員などがうたわれていた。また、ODAによる15億ポンド(約2,025億円、1ポンド=約135円)超のイニシアチブを発表、これにより24億ポンド超の民間投資の誘導が期待されるとした。

(宮崎拓)

(英国)

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