サンパウロ市、経済活動再開に向けた営業再開規定を施行

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年06月03日

サンパウロ市は5月30日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う感染拡大防止措置を6月15日まで延長する一方で、感染警戒レベルに基づき、業界団体による衛生プロトコル等運営計画の事前承認を前提に営業再開を認める条例(5月29日付市条例第59,473号)を30日付官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに公布・施行した。

同条例は、5月26日にサンパウロ州のジョアン・ドリア知事が発表した経済活動再開計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを補完するものだ。サンパウロ州は、6月から毎週水曜日に感染の拡大状況や医療体制に応じて州内地域ごとに5段階の感染警戒レベルを更新する。現在サンパウロ市の感染警戒レベルは第2段階(オレンジ)に分類され、不動産、自動車ディーラー、オフィス、商業、ショッピングモールの4セクターは制限付きで営業することが可能だ。例えばショッピングモールに関しては、収容能力の20%まで、かつ営業時間は4時間以内などの制限付きで営業することを州政府は認めている。

サンパウロ市の条例は、別途、施設の営業再開を認める条件として、(1)各セクターの業界団体代表が事前に、以下の衛生プロトコルなどからなる施設運営計画を市経済開発労働局(SMDET)に申請、(2)SMDETと保健監視調整局(COVISA)の承認を経た後、(3)承認結果が市の官報に公布される、と定めている。

提出すべき衛生プロトコルなどからなる施設運営計画の内容は以下のとおり。

  • 施設内環境の衛生・消毒・社会的距離(人との距離確保)に関するプロトコル
  • 顧客と従業員への指導に関するプロトコル
  • 従業員と顧客への検温を必ず実施するための当局との協約
  • 従業員の勤務時間を短縮した代替勤務スケジュール
  • オンラインによる顧客対応計画
  • 当該セクターにおける自己検査・監視に関するプロトコル
  • 保育所や学校閉鎖で働く母親など扶養家族の世話ができない従業員に対する支援制度

(大久保敦)

(ブラジル)

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