外交関係の再編計画として5つの大使館を閉鎖

(チリ)

サンティアゴ発

2020年06月12日

チリ外務省は、シリアとアルジェリア、ルーマニア、デンマーク、ギリシアの5カ国にある大使館を閉鎖することを発表した。6月7日付の現地紙「エル・メルクリオ」が伝えた。閉鎖手続きは2020年内の完了が予定されており、既に閉鎖決定は前週の6月5日に各国の大使へ通知しているという。

これら拠点の閉鎖については、チリ外相のテオドロ・リベラ氏が約1年前から手掛けてきたチリの外交関係の再編計画の一環として実施される。世界銀行をはじめとする国際機関のデータなどを参考に、政治・経済・文化のさまざまな観点から総合的に判断されたと報じられている。

5つの大使館の閉鎖によって、チリ政府は年間で約30億~40億ペソ(約4億2,000万~5億6,000万円、1ペソ=約0.14円)の国庫支出が削減可能とされている。

リベラ外相は「昨今の世界的な政治・経済状況を考慮しつつ、チリから諸外国への外交使節派遣について再編することが極めて重要だ」とコメントしている。同時に、今後のチリの外交関係再編の一環として、一部の国や都市の在外公館の増強を計画しており、EUとの関係強化を見越したブリュッセル、ウィーンの2都市や、市場の成長が著しいインドが対象候補となっている。

(佐藤竣平)

(チリ)

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