米ジョージアなど南東部州でさらなる経済再開、一方で第2波の懸念も

(米国)

アトランタ発

2020年06月15日

米国の南東部州では、経済活動が再開された後、徐々に活動制限が撤廃されている。一方、感染者数の増加には歯止めがかかっておらず、第2波の懸念が指摘される。

ジョージア州のブライアン・ケンプ州知事は6月11日、さらなる経済活動の再開を許可する州知事令を発令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。主な内容は次のとおり。

  • 65歳以上の高齢者に対する自宅待機令は発令時点で解除。
  • 6月16日から飲食店での1グループの最大人数と店内収容人数の制限を撤廃し、サラダバーやビュッフェについては、従業員が料理を提供するカフェテリア形式、または飛沫感染防止パネルの設置などの予防対策を条件とするセルフサービスを認める。バーの店内収容人数の上限もこれまでの25人から50人以下(または最大収容人数の35%)へ引き上げる。映画館の1グループの人数制限を撤廃し、理美容店などへの予約なしの来店も可能となる。
  • 7月1日から感染対策のガイドラインに従うことを条件に、100人以上が集まる展示会や会議などの実施、ライブパフォーマンス会場の再開が可能となる。

フロリダ州では、6月5日から都市部3郡(ブロワード、マイアミ・デイド、パームビーチ)を除く地域で経済再開の第2段階に入った。50人以下の集会、最大収容人数の50%以下でのバーや映画館などの再開を新たに許可し、小売店やジム、美術館などの収容人数制限も撤廃している。

サウスカロライナ州でも、ヘンリー・マクマスター州知事が6月12日に小売店の店内収容人数の制限撤廃やボウリング場の再開を許可する州知事令を発令した。

各州では感染再拡大の懸念も

これら南東部州では、経済活動の制限緩和が進む一方で、各州の感染者数に大きな改善はみられていない。ジョージア州では、州全体の自宅待機令が解除された5月以降、1日の新規感染者数は安定しつつあったが、6月11日には5月1日に次いで多い感染者数(993人)を記録した。州の民主党議員や一部の公衆衛生専門家は直近の感染者数増加を指摘し、規制緩和が感染の第2波を引き起こすことを懸念してケンプ州知事の判断を批判している。

フロリダ州では6月2日以降1日の新規感染者数は連日1,000人を超えており、サウスカロライナ州でも6月10日から5日続けて1日の感染者数が過去最多を記録している。

(石田励示)

(米国)

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