上海汽車集団、欧州向け輸出販売本格化

(中国)

上海発

2020年06月15日

中国の大手自動車メーカー上海汽車集団傘下の商用車メーカー上汽大通は6月7日、EVの商用車328台をノルウェー向けに輸出することを祝う式典を開催した。

今回輸出される商用車のMAXUS EV30は、欧州ではルノーのKangoo Z.E.、日産のe-NV200と競合する車種で、2019年4月に英国バーミンガム市で開催された商用車ショーの出展を契機に注目が集まった。MAXUS EV30は、ノルウェーから既に1,000台の受注があるという。上汽大通はこれまでにオーストラリア、ニュージーランド、英国をはじめ世界48カ国・地域向けに6万8,000台を輸出している。

一方、乗用車に関しては、上海汽車が5月7日、MGブランド(注)の旗艦店をパリ市にオープンした。オンライン上で行われた開店セレモニーには270人以上のフランスメディアと現地の消費者が参加。MGブランドは2019年9月に欧州向けにEV500台を輸出し、英国、オランダ、ノルウェーの3カ国からすでに3,000台の受注がある。

上海汽車や上汽大通を含めた上海汽車集団の自動車輸出台数は、2015年の8万6,000台から2019年には35万台と5年間で4倍に急増している(添付資料表参照)。上海汽車集団によれば、2019年にはタイ、インドネシア、チリ、オーストラリアおよびニュージーランド、中東地域向け販売台数がそれぞれ1万台を超える。今後、中国自動車の競争力向上や自主ブランドの強化で欧州市場に広く受け入れられるのか、動向が注目される。

(注)MGブランドは、英国メーカーのブランドだったが、MGローバーが2005年に経営破たんし、南京汽車に買収された。その後2007年に南京汽車が上海汽車集団傘下に入ったため、現在は上海汽車集団傘下のブランドとなっている。

(高橋大輔)

(中国)

ビジネス短信 998eafb62c4ebfe8