ピニェラ大統領、就任後4度目の閣僚交代を発表

(チリ)

サンティアゴ発

2020年06月08日

セバスティアン・ピニェラ大統領は6月4日、新型コロナウイルスがチリで猛威を振るう中、3閣僚の交代を発表した(添付資料表参照)。2019年10月、反政府デモが拡大し国民の要求を受けるかたちで行った内閣大幅改造に続き、大統領就任後4度目となる。

今回の閣僚交代は新型コロナウイルス感染拡大による衛生危機に直面した国内経済を再活性化させる側面がある一方で、内閣内での政党の均衡を保つための政治的側面が大きいと主要各紙は報じている。内閣を去ることになった前社会開発家族相であるセバスティアン・シチェル氏は、閣僚の中で最も評価されていた人物であり、ピニェラ大統領は同氏を内閣に近いチリ国立銀行のトップに任命することで、国民からの批判の声を反らす狙いがあるとみられている(「ラ・テルセラ」紙6月5日)。

なお、民間調査会社のカデム(cadem)が6月1日に行ったアンケート調査によると、2019年10月に起こった反政府デモ勃発後1月には11%まで落ち込んでいた政権支持率は、27%まで回復している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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