ADBが2019/2020年度のバングラデシュ経済成長率予測を4.5%に下方修正

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年06月22日

アジア開発銀行(ADB)は6月18日、「Asian Development Outlook 2020 Supplement」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表し、バングラデシュの2019/2020年度(2019年7月~2020年6月)経済成長率予測を7.8%から4.5%に下方修正した。調査対象のアジア大洋州地域46カ国・地域における平均経済成長率は0.1%で、バングラデシュの成長率予測は調査対象で最高となった。また、2020/2021年度の経済成長率の予測は8.0%から7.5%に下方修正され、調査対象中でモルディブに次ぐ2位になると見込んでいる。ADBは、アジア大洋州地域各国の経済見通しを年2回発表しており、今回は補足発表の位置付けだ。

同調査では、バングラデシュの経済成長率下方修正の要因として、新型コロナウイルス感染拡大の影響による、2020年3月、4月の輸出と郷里送金の減少を挙げている。一方、2020/2021年度については、製造業の貢献により、7.5%まで回復するとしている。

また、2019/2020年度の物価上昇率については、新型コロナウイルスの影響による供給減と買い占めによる食料価格の高騰などにより、南アジアで上昇傾向がみられた国もあったが、バングラデシュは5.6%のままで変化はなかった。2020/2021年度の物価上昇率は、5.5%と予測されている。

バングラデシュでは6月16日から、感染リスク別に応じたゾーン分けによる行動規制を実施しているが、今後の新型コロナ感染拡大と経済活動の再開状況が注目される。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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