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地球温暖化対策の改正炭素法を可決、航空チケット税など国民生活にも影響ある規制や税制に波紋

(スイス)

ジュネーブ発

2020年06月17日

スイス連邦議会は6月10日、地球温暖化対策のための規制や税制改正を盛り込んだ「2020年以降の二酸化炭素法」改正案を可決外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。改正法では、スイスの二酸化炭素(CO2)を含む温室効果ガスの排出量を2030年までに1990年比で半分にするとし、排出削減のために以下のような対策を導入する。

  • スイス出発の航空便のチケットには、距離に応じて30~120スイス・フラン(約3,390~1万3,560円、CHF、1CHF=約113円)の航空チケット税を課す。プライベートジェット機によるフライトにも、航空機の大きさに応じて1回500~5,000CHFを課す。
  • 2025年以降、燃費が走行1キロ当たりCO2排出量95グラムを超える自動車の輸入事業者には、CO2排出の基準超過分の90%以上に対して、排出権取引などの相殺措置を取ることを求める。うちその20%以上はスイス国内の措置とすることを義務付ける。
  • ガソリン税は1リットル当たり2024年に0.01CHF(10サンチーム)、25年に0.012CHF(12サンチーム)に引き上げる。
  • 化石燃料に対する炭素税は、現在のCO2排出量換算1トン当たり120CHFを210CHFに引上げる。
  • ビルや家屋については、2023年に化石燃料を使用する暖房によるCO2排出量の上限を定め、適合しないものには設備更新を求める。2026年から2027年までにビルや家屋からのCO2排出量を1990年比で半減させる。

今回は炭素法の全面改正で、議会の審議は2018年3月から2年以上に及んだ。改正による国民生活への影響は大きい。航空チケット税収の51%は国民に還元するとしているが、審議の中では、航空チケット税は負担者として想定していた高所得のヘビーユーザー以外への影響が大きい、「新型コロナウイルス禍」による航空業界への負担を増加させるといった批判も出た。そのほか、古い建物では旧式暖房設備の交換が難しいなどの問題もあり、与党のスイス国民党は改正法に対する国民投票の開催を支援するとしている。

(和田恭、マリオ・マルケジニ)

(スイス)

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