EUの第1四半期GDP成長率は前期比マイナス3.2%、統計開始以来最大の落ち込み

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2020年06月18日

EU統計局(ユーロスタット)は6月9日、2020年第1四半期(1~3月)のEUとユーロ圏の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)を発表した。同発表によれば、多くの加盟国で新型コロナウイルス感染拡大に伴うに制限措置が実施された3月を含む第1四半期のEU27カ国の実質GDP成長率は、前期から3.3ポイント減少のマイナス3.2%となった(添付資料表1参照)。ユーロ圏19カ国の成長率も、前期から3.7ポイント減少のマイナス3.6%となった。今回の数値はそれぞれ、統計が開始された1995年以来最大の落ち込み幅になった。

需要項目別でみても、軒並みマイナス成長の厳しい結果となった。個人消費(寄与度:マイナス2.3ポイント)が前期比4.3%減と落ち込みが最も大きく、総固定資本形成(マイナス0.9ポイント)が3.9%減、輸出(マイナス1.7ポイント)が3.5%減と続いた。

産業分野別では、貿易・運輸・宿泊・食品サービス、製造業を含む工業、専門支援サービス、行政・その他のサービス、芸術・娯楽・その他のサービス、建設、不動産などで寄与度のマイナス幅が大きかった。

EUの実質GDP成長率(前期比)を国別でみると、プラスのGDP成長率(前期比)を記録した加盟国は、アイルランド(1.2%)、ブルガリア(0.3%:暫定値)、ルーマニア(0.3%:暫定値)、スウェーデン(0.1%)の4カ国のみだった。その他の国は全て前期比マイナス成長となり、フランス、イタリア(ともにマイナス5.3%)、スペイン、スロバキア(ともにマイナス5.2%)、の4カ国でマイナス5.0%以下のマイナス成長を記録した(最新データが発表されていないルクセンブルクを除く)(添付資料表2参照)。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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