BOI、証書に記載の機械輸入・操業開始期限などの延長措置を発表

(タイ)

バンコク発

2020年06月09日

タイ投資委員会(BOI)は、2020年5月12日付の布告「新型コロナウイルス感染症による影響の緩和策(Por.4/2020)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)にて、BOI承認を得た事業者に対し、各種期限の延長措置を公表した。

(1)BOIの認可条件に記載された、機械輸入、操業開始期限の延長(特定奨励業種)

  • 対象:「生産性向上のための投資奨励措置」を受けている事業(注1)かつ、奨励証書に記載された、「機械の輸入期限」および「操業開始の期限」が、2020年1月1日~2020年6月30日の間となっている事業
  • 内容:機械の輸入期限および操業開始の期限を、元の期限からそれぞれ6カ月延長。
  • 条件:2020年8月末までにBOIに延長申請を行うこと。
  • 備考:上記期間に期限がこない事業の場合も、新型コロナウイルスの影響を受けたことをBOIに示すことで、機械の輸入期限および操業開始期限の延長を検討可能。ただし、当該事業が、他の理由で既に期限延長措置を得ている場合、今回の延長措置の対象にはならない。

(2)操業開始期限の延長(上記以外の事業の場合)

  • 対象:2020年3月1日~6月30日の間に、奨励証書に記載のある「操業開始の期限」が定められている事業(生産性向上のための投資奨励措置を受けている事業以外)
  • 内容:BOIから指定された操業開始の期限を、元の期限から、6カ月延長

(3)各種規格の取得期限の延長

  • 対象:BOIから、ISO9002などの国際品質保証規格の取得を義務付けられている事業
  • 内容:奨励証書に記載された規格の取得期限が、2020年3月1日~6月30日の間に定められている事業の場合、元の期限から6カ月延長

(4)事業の一時停止にかかるBOI承認の免除

  • 対象:2020年3月1日~6月30日の間に、2カ月以上事業を停止する場合(注2)
  • 内容:事業者は、BOIにその旨をオンラインで届け出るだけで良い。通常の手続きのように、BOIから事業停止の認可を得る必要はない。
  • 備考:当該事業停止の期間中に、奨励事業に従事する外国人(熟練労働者や専門家)が、ビザや労働許可証を失効しても、通常どおり更新が可能

(注1)「生産効率を向上のための投資促進措置」は、省エネ、代替エネルギー使用、自動化のための機械入れ替えなどを行う事業者に対して、機械の輸入関税の免除や、3年間の法人所得税免除などを付与するBOI恩典で、2020年末が申請期限。

(注2)ジェトロがBOIに確認したところ、3月1日~6月30日の間に、事業停止が始まることが条件。当該期間以前から事業停止していた場合(例:2月1日から事業停止)は、本措置の対象外。他方、事業再開は6月30日以降でもよい。

(田口裕介、今泉美里)

(タイ)

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