第4フェーズの規制緩和を開始、夜間外出禁止措置を撤廃、営業基準の詳細も発表

(タイ)

バンコク発

2020年06月16日

タイ政府は6月12日、夜間外出禁止措置の撤廃や、一部の例外を除く商業活動の再開などを定めた、非常事態令第9号(非常事態時に取り得る措置)に基づく決定第10号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)を官報に掲載し、6月15日から適用した。また13日には、非常事態本部である新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)がCCSA令第4号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとして、詳細な営業再開ガイドラインを官報に掲載した。CCSAの12日の記者会見資料などに基づく決定第10号の主なポイントと、それら再開基準のポイントは以下のとおり。

○夜間外出禁止措置の撤廃(第1項):6月14日午後11時以降、夜間外出禁止措置を撤廃。同措置は4月2日発出の決定第2号により、4月3日以降適用していた(2020年4月3日記事参照)。

○インターナショナルスクール、小規模学校の再開(第2項):インターナショナルスクール、外国の教育カリキュラムによる学校、学習塾、生徒数が120人以下の学校の再開を許可。日本人学校を含む中規模・大規模学校については、7月1日から授業再開が可能となる見込み。

○事業活動制限の緩和(第3項)

  1. ホテル、劇場、会議室、会議場、見本市会場、映画館などでの活動:6月1日の第3フェーズ緩和では、2万平方メートルを超える大規模イベントや午後9時以降のイベントは開催不可だったが、それらの制限も撤廃。会合・研修・セミナーの場合は、1人当たり4平方メートル以上、コンサートなどの場合は5平方メートル以上の空間を確保し、座席がある場合は1メートル以上間隔をあけること。
  2. レストランでのアルコールの提供再開:レストラン、ホテルなどでのアルコール飲料の提供を許可。ただし、パブやバー、カラオケなどのエンターテインメント施設は対象外。
  3. 託児所、保育所、幼稚園、幼児用教育施設、高齢者施設、介護施設などの再開:デイケアに限り活動を許可。ただし、感染可能性が高い活動であるため、例外的に認める。再開に当たっては、小規模グループに区分の上で1人当たり2平方メートル以上の空間を確保し、ベッドがある場合は1メートル以上間隔をあけること。
  4. マッサージ店、温浴施設などの再開:追加でサウナ、フェーシャルマッサージ、スパの営業を認める。ただし、大部屋を区切ったり、温泉施設のように大人数が利用したりする施設の場合は人数を制限し、1人当たり5平方メートル以の空間を確保すること。

○県をまたぐ移動の緩和(第4項):第3フェーズで移動緩和を示していたが、第4フェーズ緩和では、着席・乗客数制限について以下の基準を示した。

  1. 乗客のトラッキングが可能なように、必要な情報を登録すること。
  2. 国内線:おおむね1時間程度の飛行であり、感染拡大の目安となる2時間に満たないため、全座席数を販売可能。
  3. 長距離バスなどその他公共交通機関:長距離バスについては2時間おきに洗浄措置を取り、かつ、乗車率は70%を超えてはならない。同伴旅行者がいる場合は、隣接して着席を許可。ただし、その隣1席は空席とする。

(注)決定第10号の仮訳は在タイ日本大使館ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(蒲田亮平、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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