ウォルマート系のサムズクラブが中国旗艦店を着工、8年で100店舗目指す

(中国)

上海発

2020年06月01日

米ウォルマート系列の会員制大型スーパーチェーンであるサムズクラブの中国旗艦店(以下、旗艦店)が5月28日、上海市外高橋保税区で着工した。旗艦店の総建築面積は約7万平方メートルに上り、中国で既に運営されているサムズクラブ(26店)において最大規模となる。店舗内では日用品の販売とともに飲食や娯楽、教育などのサービスを提供、2021年に開業を予定する。地元メディアによれば、ウォルマートはサムズクラブを今後8年で中国に100店舗まで拡張する計画だ(「電商報」5月28日)。

サムズクラブは、現在、上海市の浦東新区・青浦区の2店舗、北京市、広東省の深セン市・珠海市・広州市、江蘇省の南京市・蘇州市・南通市・常州市など中国沿海部の大都市を中心に展開している。年会費について、プレミアム会員は680元(約1万880円、1元=約16円)、一般会員は260元で、主要消費者である中間所得層をターゲットに、国内商品より割高な輸入品を多く販売している。同社は自社サイトのほか、大手電子商取引(EC)サイトの京東「JD.com」にもテナント店を開設しており、実店舗(オフライン)とオンラインの双方で利用が可能だ。

2020年1~4月のEC化率は24.1%に上昇

新型コロナウィルスの影響で中国におけるECの利用がさらに進んでいる。国家統計局が5月15日に発表した消費概況によると、2020年1~4月の社会商品小売総額は前年同期比16.2%減となったものの、EC物販の分野は8.6%増となった。そのため、小売総額に占めるEC販売の割合(EC化率)は前年同期比5.5ポイント増の24.1%に高まっている。中国出店を積極的に進めるサムズクラブの試みに注目が集まっている。

(劉元森)

(中国)

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