政府、190億ユーロ規模の追加経済対策を発表

(オーストリア)

ウィーン発

2020年06月19日

オーストリア政府は6月16日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた経済の再生を柱とする190億ユーロ規模の経済政策を新たに発表した(添付資料表参照)。景気刺激策や投資支援、失業者への緊急援助、気候変動保護策などを含んでいる。これまでに発表した支援策と合わせて、新型コロナウイルスの影響を受けた経済対策の政府支出は500億ユーロに拡大。なお、2020年の国家予算歳出額は824億ユーロだった(3月策定のコロナ対策補正予算を含む)。ゲアノット・ブリューメル財務相によると、一連の支出によってオーストリアの2020年の公的債務残高のGDP比は約20ポイント上昇し、90%に達するとした。

一方、野党は政府の新型コロナウイルス対策を厳しく批判している。社民党のパメラ・レンディー・ワグナー党首は失業者への手当一括払いを「施し物」と呼び、一過的な措置ではなく根本的に失業手当を大幅に引き上ることを要求した。また、「クルツ首相の政治は演技ばかりで、約束した支援は困っている人や企業に届いていない。この状況が続けば、秋に破産の波が起こる恐れがある」と批判した。さらに、ネオスのベアーテ・マイヌル・レイシンガー党首も「政府はコロナ対策による経済危機を大幅に見誤り、支援は一貫性がなく、計画性に欠ける」と述べた。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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