サンパウロ州政府、地域ごとで警戒レベルに基づく経済再開計画発表

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年06月04日

サンパウロ州のジョアン・ドリア州知事は5月27日、6月1日から15日間は現行の外出自粛・営業規制を継続すると発表した。一方で、今後は毎週水曜日に州内地域ごとに、感染警戒レベルに基づく営業規制を公開し、段階的に経済活動の再開を行う方針を明らかした。

27日に発表した感染警戒レベルと各セクターの営業規制は以下のとおり。同日のサンパウロ市の警戒レベルはフェーズ2、サンパウロ市と同市周辺の39の自治体で構成される大サンパウロ圏はフェーズ1となる。教育分野の再開については追って検討が行われる。なお、サンパウロ州は製造業を必需産業に指定している。

  • フェーズ1(赤)最大警戒:スーパーや薬局など必需業種のみ、入店者数制限を行うなど制限付きで営業。
  • フェーズ2(オレンジ)警戒・規制:不動産、ディーラー、事務所、商業、ショッピングセンターは制限付きで営業。
  • フェーズ3(黄色)規制緩和:不動産、ディーラー、事務所は営業。外食、商業、ショッピングセンター、美容院は制限付きで営業。
  • フェーズ4(緑)より広範囲な規制緩和:フェーズ4に記載の営業に加えて、ジムを制限付きで営業。公共スペースの営業や人が集まるイベントは引き続き禁止。
  • フェーズ5(青)全部門で営業再開:社会的距離の維持と衛生対策は続行といった条件付きで全ての部門において営業再開。

サンパウロ州政府は、27日の発表時点では各感染警戒レベルの判断基準はいまだ明らかにしていない。州政府は判断基準の基礎となる指標に、各地域の医療機関の収容能力(ICU病床占有率、人口10万人当たりICU病床数)と感染拡大状況(感染者数、入院者数、死亡者数)データを用いる。州政府は経済活動再開に当たって、経済セクターごとに60種類の感染防止衛生プロトコルと500種類の指針の策定を進めている。

今回発表されたサンパウロ州内地域ごとの警戒レベルによる経済活動再開計画と各セクターの衛生プロトコルは、同州ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで入手できる。

(大久保敦)

(ブラジル)

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