自工会、2020年の自動車の国内販売は前年比4割減の167万5,000台と予測

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年06月12日

ブラジル自動車工業会(ANFAVEA)は6月5日、2020年自動車(乗用車、小型商用車、トラック・バスの合計)販売予測を前年の278万8,000台より40%減の167万5,000台と発表した。今年1月時点の予測は305万台で、今回の予測と比較して45%減少した。

ANFAVEAによると、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う国内景気低迷が、自動車販売の落ち込み要因となっているとする。特に乗用車販売の落ち込みが激しいが、他方トラックの販売は農牧業・同加工業の輸送需要増もあり、前年比36%減にとどまるとANFAVEAは予測している。

ただ、カルロス・モライスANFAVEA会長は、「2020年の生産は輸出見通しが不透明であるため、現時点で予測できない」とする。

5月の生産台数は、4月よりも改善した。4月は、自動車産業が集積するサンパウロ州で感染拡大防止措置が敷かれ、外出自粛が要請されたため、工場の操業を停止する企業が多かったが、5月7日には連邦政府が製造業を必需産業に追加したことで、一部工場が操業を再開した。しかし、ANFAVEAは、生産および販売の回復が不十分のため、「明るいニュースとは言えない」とする。5月の販売台数は1992年以来最低の数を記録している。

4月と5月の自動車生産・輸出・販売台数は以下のとおり。

  • 生産:4月:1,800台 5月:4万3,100台(前年同月比84.4%減)
  • 輸出:4月:7,200台 5月:3,900台(前年同月比90.8%減)
  • 販売:4月:5万5,700台 5月:6万2,200台(前年同月比74.7%減)

モライス会長は、6月の生産販売はやや持ち直すものの、「2020年第2四半期が歴史的な落ち込みとなることに疑いの余地はない」と強調した。一方、2020年後半の自動車生産および販売については回復に期待を示した。

(大久保敦)

(ブラジル)

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