新型コロナの影響で海外投資家のポートフォリオ投資引き揚げが加速

(フィリピン)

マニラ発

2020年06月05日

フィリピン中央銀行(BSP)は5月28日、2020年4月単月の海外投資家によるポートフォリオ投資の流出額は12億8,740万ドル、流入額は6億2,702万ドルとなったと発表した。売越額は、前年同月の2.2倍の6億6,038万ドルだった。

BSPは、新型コロナウイルスの国内感染拡大を受けて、3月中旬から実施された隔離措置(注)がフィリピン経済にもたらす悪影響を考慮し、多くの海外機関投資家がフィリピンへのポートフォリオ投資を引き揚げたとした。

BSPは、流入額の91.2%はフィリピン証券取引所上場企業の証券、残りの8.8%はフィリピン国債とした。国・地域別でみると、投資額が多い順に英国、米国、シンガポール、香港、スイスとなり、この5カ国・地域で全体の85.5%を占めたという。

2020年1月から4月までの海外投資家によるポートフォリオ投資は20億6,751万ドルの売り越しとなり、3,727万ドルの買い越しとなった前年同期と比較すると、大幅な売り越しに転じたとした。

(注)外出禁止令や公共交通機関の停止を含む。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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