タミル・ナドゥ州政府がトータル・ロックダウンの実施を発表

(インド)

チェンナイ発

2020年06月18日

インドのタミル・ナドゥ州政府は6月15日、新型コロナウイルスの感染が広がる州内の一部地域で、6月19日から30日までの間、これまでよりも厳しいロックダウン措置(トータル・ロックダウン)を実施すると発表した。対象となるのは、チェンナイ市、カンチプラム県、ティルバルール県およびチェンガルペット県にまたがる地域で、同期間中、経済活動や人の移動が大幅に制限されることになる。

工場の操業や日常生活への影響が大きい制限も

州政府が6月16日付で出した通達(添付資料参照)によると、これまでの通達に規定される従業員数などの条件を満たせば、トータル・ロックダウン中も工場の操業は認められるが、対象地域における従業員の移動は認められない。チェンナイ市内に所在する工場の従業員およびチェンナイ市から他地域の工場へ通勤する従業員は、一度PCR検査を受けた上で、工場敷地内または近隣の場所に宿泊することとされた。

また、オートリクシャー(三輪タクシー)、タクシーおよび自家用車の利用は、医療目的で緊急の場合を除き、認められないとした。

このほか、食料品を扱う商店やガソリンスタンドの営業時間は午前6時から午後2時までに限定され、生活必需品は住居から2キロ以内に位置する店舗で購入することとされた。銀行については、6月29、30日のみ33%の従業員数での営業が認められ、ATMは通常どおり利用することができる。

これらに加え、日曜日の6月21日と28日にはさらに厳しい制限が課され、病院や薬局などの営業、医療関係車両の移動、ミルクの配達など一部の例外を除き、全ての活動が禁止される。

タミル・ナドゥ州政府によると、6月17日時点の累計感染者数は州全体で5万193人、州都チェンナイで3万5,556人となっている。最近の新規感染者数は、州全体で連日2,000人近いペースで増えており、そのうち約7割をチェンナイ市が占めるなど、州都を中心に州内感染が広がり続けている。

(坂根良平)

(インド)

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