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サウジアラムコがSABICの株式70%を取得

(サウジアラビア)

リヤド発

2020年06月19日

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ(以下、アラムコ)は6月17日、同国の石油化学会社SABIC(サウジアラビア基礎産業公社)の株式70%を取得したことを発表した。買収した株式は、同国の公的投資基金(PIF)の保有分で、買収金額は691億ドルと発表されている。

本買収の意義は、長期国家戦略「サウジ・ビジョン2030」を推進する政府としての視点に立てば、ギガプロジェクトの推進などでビジョン2030を牽引する組織PIFの資金調達を実現したことにある。また、アラムコからの視点に立てば、SABICを子会社化することで、石油産業の下流を取り込み、上流から下流まで一気通貫で事業を展開することが可能となったことが挙げられる。

アラムコは2019年12月11日に、発行済株式の1.5%を国内の証券取引所タダウルに新規上場し、史上最大となる256億ドルを資金調達した。ビジョン2030の柱として注目を集めてきたアラムコの上場だが、当初は発行済株式の5%の海外市場での上場と、調達額1,000億ドルを想定していた。また、「時価総額2兆ドル」と言及されてきたが、上場後まもなくその水準を上回ったものの、足元は時価総額1.7兆ドル強の水準で推移しており、必ずしも当初の想定どおりには進んでいないことも事実だ。

一方、上場に際して初めて公表された財務内容では、世界一の石油会社であることを印象付けた。特に、純利益1,110億ドル(2018年12月期)となる利益水準の高さ、1バレル2.8ドルとされる石油生産コスト(OPEX)の低さは驚きを与えた。アラムコは、産業多角化に向かうサウジ経済の土台となる組織であり、こうした国際競争力の高さからその重要性は不変だ。SABICの買収による石油産業の下流も含めた戦略の展開など、今後のアラムコの動向に注目が集まる。

(佐々木宏行)

(サウジアラビア)

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