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全米にデモ拡大、ミネソタ州の黒人暴行死事件に反発高まる、トランプ大統領は強硬対応求める

(米国)

ニューヨーク発

2020年06月02日

米国ミネソタ州で5月25日に黒人男性が警官による暴行で死亡した事件を受けて、抗議デモが全米主要都市に広がっている。一部では暴徒化し、警官・州兵との衝突により死傷者も出ている。このような中、トランプ大統領は6月1日に行った各州知事との電話会議で、各知事の対応を「弱腰だ」と非難し、より強力な法執行を求めた。また、州が動かない場合は、米軍を派遣して沈静化を図る考えも示した。デモが長期化すれば、政治・経済・社会面での影響が懸念される。

全米各地にデモが広がる中、6月1日時点で40以上の都市で外出禁止令が出ている。首都ワシントンDCのほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、フィラデルフィア、サンフランシスコ、シアトル、アトランタといった人口も多く経済の中心地となる都市も含まれている。中にはデモ参加者が暴徒化し、小売店舗を破壊して商品を略奪する動きもみられる。ジェトロが把握している中でも、日系小売店舗にも被害が出ていたり、従業員の出社を控えさせたりするなど、在米日系企業にも影響が出ている。

トランプ大統領はこうした事態に対する各州知事、自治体首長の対応を弱腰だと批判している。大統領は5月29日には自身のツイッターで、死亡事件が起きたミネアポリス市でのデモ激化について、「リーダーシップの完全な欠如だ。極左のジェイコブ・フレイ市長(民主党)が沈静化できないのなら、私が州兵を送り込む」と発言した(注)。

また、複数の米メディアの報道によると、トランプ大統領は6月1日に行った全米各州知事との電話会議で「ほとんどの知事の対応は弱腰だ」と批判し、州兵などを派遣して事態を鎮圧することが重要と発言したとされる。大統領が1日夕にホワイトハウスで行った演説でも、各州知事に州兵派遣を要請した点に触れるとともに、知事が動かない場合は米軍を派遣する考えを示した。こうしたトランプ政権の姿勢について、イリノイ州のジェイ・プリツカー知事(民主党)は電話会議で「ホワイトハウスから出てくる発言が事態を悪化させている」と発言したとされる(CBSニュース6月1日)。

識者は、今回の事態には米国社会が長年抱える偏見が大きく影響していると指摘する。米戦略国際問題研究所(CSIS)が6月1日に開催したウェビナー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに登壇したローレンス・サマーズ元財務長官(クリントン政権時)は、米国社会が抱える不平等も影響しているとしつつ、それ以上に、米国にまん延する偏見に対して政治指導者が長年にわたって有効に対応できてこなかったことが原因だと分析した。

(注)この発言に連なる投稿の一部に関してツイッターは、暴力をあおる表現として同社の利用規約に違反すると指摘しつつも、大統領の発言の公益性に鑑みて削除はしていない。

(磯部真一)

(米国)

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