連邦政府、小規模・零細企業向け融資保証の運用開始

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年06月26日

ブラジル連邦政府は6月10日、「小規模・零細企業国家支援プログラム(PRONAMPE」」の運用を開始すると発表した。このプログラムは、約458万の国内小規模・零細企業向けに約159億レアル(約3,180億円、1レアル=約20円)相当の政府保証付き融資を行う。

経済省で国内企業の生産性強化などに関する実務を担う特別局(Sepec/ME)と、連邦歳入庁、ブラジル銀行、融資保証基金(FGO)などが連携してプログラムを運営する。5月18日付の法律第13,999号により制定されたもので、政府によると、認定商業銀行の1つCAIXA Economicaが16日から融資を開始し、2日間で既に3,000件以上が実行された。

プログラムの概要は以下のとおり。

  • 融資の対象となる企業は、2019年の年間総収入が36万レアル以下の零細企業や、総収入が36万レアル超、480万レアルまでの小規模企業。
  • 企業は融資を受ける際、政府が認定する商業銀行に融資申請を行う。
  • 認定商業銀行が企業に融資を行う。万が一企業からの返済がない場合、FGOが融資額100%を保証する。
  • 最大年間金利は、政策金利(Selic)レート+1.25%。返済期間は36カ月。
  • 企業が融資を受けるためには、ローン開始日から最大60日間は融資開始以前の従業員数を維持する必要がある。
  • 保証付き融資の与信枠(融資限度額)は原則、2019年の年間総収入の最大30%。ただし、活動が1年未満の企業の場合、貸し付け限度額は活動開始以降の株式資本の50%相当、または平均月間収益の30%相当。なお、2020年に起業した企業は対象外。

(松平史寿子)

(ブラジル)

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