経済支援策「危機防止シールドパッケージ2.0」の適用開始

(ポーランド)

ワルシャワ発

2020年05月11日

アンジェイ・ドゥダ大統領は4月17日、経済支援策である「危機防止シールドパッケージ」の修正案、「危機防止シールドパッケージ2.0」に署名、その大部分が翌18日から適用された。これにより、社会保険料減免となる事業者の対象が拡大された。発表などによると、主な変更点は以下のとおり。

  • 自営業者や請負・業務受託者など、事業停止の影響を受けた者に対し、最大3回にわたり補助金を支給。
  • 従業員規模が10~49人の企業は3~5月に社会保険庁(ZUS)へ払わなければならない社会保険料負担が50%減免される。なお、「危機防止シールドパッケージ」では、社会保険免除は2月1日以前に起業した者が対象だったが、今回、4月1日以前に起業した者に拡大される。
  • 零細企業や自営業者を対象とした上限5,000ズロチ(約12万6,000円、1ズロチ=約15円)の低金利融資の返済免除条件(雇用の維持)の緩和。

ポーランド政府の4月27日の発表によると、「危機防止シールドパッケージ」が適用されてから約3週間で、既に企業からの申請は200万件に達している。その中でも、ZUSへ支払わなければならない社会保険料負担料の免除の申請をした企業も120万以上に上ったという。

ポーランド政府は「危機防止シールドパッケージ」の拡張や柔軟化を続けていくとしており、さらなる支援が期待されている。さらに、「危機防止シールドパッケージ」の一部として、1,000億ズロチを拠出することを発表している。この措置は「財政の盾」と呼ばれており、現在、その大部分が欧州委員会に承認されており、未承認の個所についても現在議論が行われている(2020年4月16日記事参照)。

政府は「危機防止シールドパッケージ」専用のウェブサイト(ポーランド語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを立ち上げ、情報の周知に努めている。補助を受けるためには条件がある場合もあるので、詳細は同ウェブサイト参照のこと。

(楢橋広基、ニーナ・ルッベ・ルビニスカ)

(ポーランド)

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