山東省、済南市と青島市に破産裁判所を設立

(中国)

青島発

2020年05月19日

山東省では、4月15日に済南市、4月22日に青島市において、破産案件の清算を専門に取り扱う破産裁判所が設立された。破産裁判所はこれまで、深セン市、北京市、上海市、天津市、広州市、温州市、杭州市において設立されている。

中国では、生産能力が過剰となり、経営が困難となる「ゾンビ企業」の処理が問題化している。2016年から中国では「過剰生産能力の削減」を目的として、供給側(サプライサイド)の構造改革を進めてきた。同年のG20サミットでは、中国財政部の朱光耀副部長が中国で破産裁判所を設立し、市場化・法律化を通じ、企業を市場から退出させることを発表した。企業の清算増加に伴い、2019年3月までに破産案件を審査できる裁判所は全国で100カ所にまで増えた。

世界銀行グループが2019年10月に発表した報告書「ビジネス環境の現状2020」で、中国のビジネス環境世界ランキングは190カ国・地域の中で31位となり、前年から15ランク上昇した。評価指標のうち、破綻処理は10ランク上昇して51位となった。

最高人民法院によると、青島破産裁判所は主に以下の4分野の破産案件を管轄する。

  1. 青島市で発生した、市場監督管理機関登録企業の強制清算と破産案件
  2. 前述の強制清算と破産案件による訴訟案件
  3. 越境破産案件
  4. 法により青島破産裁判所が対応すべき案件

(李燕)

(中国)

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