マナウスフリーゾーン二輪工場、生産再開相次ぐ

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年05月01日

新型コロナウイルス感染拡大の影響によりで生産を中断していたマナウスフリーゾーン(ZFM)における二輪オートバイ工場の操業再開が相次いでいる。

4月30日付け現地「CARROS」紙によれば、ハーレーダビッドソンが4月27日、4月30日付け現地「R7」紙によれば、ヤマハ発動機が4月30日に操業を再開。4月19日付け現地「acritica」紙によれば、BMWの再開は5月4日を予定している。ブラジルの二輪市場シェアの約8割を占めるホンダは5月18日に再開の予定だ。同4社のブラジルの二輪市場におけるシェアは計94%となる。

ブラジルは世界8番目の二輪生産国で、工場の大半はZFMに立地し約1万3,000人の雇用を創出する。ZFMの主な二輪工場は3月下旬ごろから操業を中断していたが、カワサキは小規模ながら生産を継続していた。

ヤマハ発動機やハーレーダビッドソンは、操業再開に当たり従業員などへの厳格な感染拡大防止措置を発表している。例えばヤマハ発動機の場合は、1.従業員や訪問者の全員に消毒マスク着用を義務付け、アルコールジェルの使用と体温測定を徹底する、2.生産ラインでの人との距離を確保し、食堂への入室を定員の50%に制限する、3.健康管理支援と清掃の要員を増やし、生産に関与しない従業員は自宅勤務を継続する、と発表している。

アマゾナス州の州都マナウス市は、新型コロナ感染爆発で医療崩壊や葬儀サービス崩壊が危惧されている都市の1つだ。保健省によれば、4月29日のアマゾナス州の感染者数は4,337人、死者は251人に達している。ただ、同市の雇用維持に欠かせないZFMの製造業は必需産業と位置づけられ操業が可能だ。同製造業の工場稼働に当たってはアマゾナス健康衛生監視財団(FVS-AM)によるガイドラインに従い、従業員のアルコールジェルの使用、症状のある従業員の隔離、工場内での衛生管理措置の徹底、感染防止策の徹底、食堂での人数制限といった感染防止計画を策定させて監査を行っている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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