米TSA、空港検査場での手順を変更し旅行者に注意喚起、新型コロナウイルス感染対策で

(米国)

ニューヨーク発

2020年05月27日

米国運輸保安局(TSA)は5月21日、これから夏の観光シーズンに入ることに伴い、新型コロナウイルス感染防止対策として新たなスクリーニング検査方法を導入し、6月中旬までには全米の空港保安検査場で実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回の新たなルールの導入は、ヒト同士の距離をできる限り確保し、旅行者への接触を最小限にとどめることを目的とし、そのために以下の点にあらかじめ注意するように呼び掛けている。

  • 搭乗券はTSA検査員に渡さず、旅行者自身でスキャンし、その後、検査員が目視で確認できるように見せる。
  • 食べ物はX線スクリーニングで探知されやすいため、機内持ち込み用手荷物には入れず、前もって透明のプラスチック製袋に入れたものを検査用トレーに乗せる。
  • 機内持ち込みが禁止されている約100ミリリットル(3.4オンス)以上の液体、ジェル、スプレー缶を機内持ち込み用手荷物に入れない。〔現在、約355ミリリットル(12オンス)以下の手指消毒液やジェル1点の持ち込みは許可されているが、機内持ち込み用手荷物から前もって取り出しておくこと〕。
  • TSA検査員や他の旅行者との社会的距離を確保する。
  • フェースカバー(マスク)の着用を推奨する(スクリーニング検査の際はフェースカバーをずらさなければならない可能性もある)。また、検査場で外したベルトやポケットの中身は、個々に検査用トレーに乗せず、前もって機内持ち込み用手荷物の中に入れておく。

TSAによると、空港保安検査場を通過する旅行者数は過去数週間で着実に増えており、デビッド・パカスキーTSA長官は、旅行者と最前線で働くTSA検査員の健康のために、今後も検査方法の見直しを行うとしている。

また、搭乗の際には身分証明証の提示を求められるが、新型コロナウイルスの感染拡大により各州発行の運転免許証や身分証明書が更新できない状況にあるため、TSAは4月15日、身分証の有効期限が3月1日以降に切れた場合は期限日から1年間、または緊急事態が解除されてから60日間のいずれか長い方の期間までは身分証として有効と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。なお、国土安全保障省が定める州免許証などのリアルID外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます法への対応期限も、2021年10月1日までに延長されている(注)。

米国外に渡航した在米居住者が米国へ再入国する際は、米疾病予防管理センター(CDC)が公表している検疫に関するガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが参考になる(日本語のページあり)。

(注)国土安全保障省は、2020年10月1日以降に米国内線に搭乗する際には、州発行の自動車運転免許証などは身分証としては認められず、連邦基準の身分証(リアルID)を提示しなければ搭乗を許可しないとしていた。

(吉田奈津絵)

(米国)

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