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英国、将来関係交渉めぐりEUを痛烈に批判、方針変更迫る

(英国、EU)

ロンドン発

2020年05月20日

英国の首相官邸は5月19日、EUとの包括的自由貿易協定(CFTA)、漁業協定など12の協定の草案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。CFTAの協定案は、EUとの交渉開始に先立ち、政府が発表した交渉方針(2020年2月5日記事参照)に沿ったもので、EU・カナダ包括的経済貿易協定(CETA)や日EU経済連携協定(EPA)を土台にしている。また漁業協定は、EUとノルウェーの同協定に近い内容となっている。

協定案公表後の19日夕方、首相官邸はデビッド・フロスト英国首席交渉官がミシェル・バルニエEU首席交渉官に宛てた書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も公表。フロスト氏はその中で、協定案の公表は直近の2回の交渉ラウンド(2020年5月18日記事参照)で、EU側が英国の提案の細部を加盟国に示すことを求めたのに応えるものだ、と説明している。

その上で同氏は、(1)英国の協定案はEUと第三国の既存の協定を土台にしているにもかかわらず、不均衡で前例のない条項を追加しようとするのは理解しがたく、(2)EUが新たな条項を押し付けようとするだけでなく、既存の自由貿易協定(FTA)や個別協定に盛り込まれている条項(EUがカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、米国と締結している適合性評価の相互認証など)を再現するのを拒んでいるのは驚きだ、とした。また、(3)EU側協定案に含まれる「公正な競争条件(レベルプレイングフィールド)」をめぐる条項は、EUルールへの一方的追随を義務付けるもので、そのような協定に署名する民主国家など存在しないことをEUは理解する必要があると主張し、EUの姿勢を批判している。

さらに、英国との地理的近接性を理由に、EUが他のFTAにはない条項を主張することに対しては、その種の条項のない通商協定を結んでいる米国とカナダを例に一蹴。地理的な近さがその理由にはならないとした。これまでの交渉でのEUの提案を「密接な経済パートナーが結ぶ公正なFTAではなく、われわれの法制度をEUが一方的に監督するかつてない条項を含む、ほかよりも質の低い通商協定」と断言し、6月の最終交渉ラウンドに向け、EUに再考を迫っている。

ボリス・ジョンソン首相は、交渉開始に先立ち、EUがかたくなに公正な競争条件を主張して平行線をたどれば、交渉を打ち切る可能性も示唆していた。大筋合意を目指す6月まであとわずか。第2の「ノー・ディール(合意なき離脱)」の可能性が欧州を覆う。

(宮崎拓)

(英国、EU)

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