首都の新型コロナ感染拡大ピーク期は5月下旬から6月初旬と予測

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年05月18日

ブエノスアイレス市保健省のフェルナン・キロス保健相は5月12日、ブエノスアイレス市における新型コロナ感染拡大のピーク期を5月下旬から6月初旬と発表した。同市では、ビジャと呼ばれる貧民街での感染拡大が警戒されている。キロス保健相は、ピーク期に向けた感染拡大の抑え込みに努力していると述べた。

アルゼンチン保健省によれば、5月11日時点で国内の感染者数は6,278人(うち死者は314人)で、首都ブエノスアイレス市ではそのうちの4割強となる2,701人の感染者(うち死者は123人)が確認されている。キロス保健相は、市内最大の貧民街であるビジャ31や、南部フローレス地区にあるビジャ1-11-14といった、衛生管理の行き届かない低所得者層生活区域での感染拡大に警戒を示した。

このような地区では、5月11日時点で市内全体の約25%となる685人の感染が確認されている。さらに、前日比で感染者数は69人増と急速に感染が拡大している。市政府では、連邦政府と協力しつつ、感染予防に取り組んでいる。

ブエノスアイレス市政府では、4月下旬の時点で感染拡大のピーク期には、市内で「3,000床のベッドが必要になる」との見解を示している。

ブエノスアイレス市では、4月15日から、公共交通機関、商業施設および公共サービス機関を利用する際、マスクの着用を義務付けているが、5月4日からは、いかなる外出であってもマスクの着用を義務化するなど対策を強化している。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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