新たな「女性相」が就任

(チリ)

サンティアゴ発

2020年05月08日

大統領府では5月6日、新たな女性相の任命式が行われた。任命されたのは、独立民主同盟党(UDI)に所属し、過去にはバルパライソ州オルムエ市の市長を務めたマカレナ・サンテリセス氏。サンテリセス氏は、1974~1990年までのチリ軍事政権を指導したアウグスト・ピノチェト氏の姪の孫にあたる。

前大臣の辞任から新大臣の発表までの約2カ月間は、カロリナ・クエバス女性省次官が臨時で大臣を務めた。イサベル・プラ前女性相は、私事を理由に3月13日に大臣の職を辞しているが、翌日3月14日付「ラ・テルセラ」紙では、同氏の辞任理由は2019年10月に始まった反政府デモへの対応を非難されたことに端を発し、本人とその家族に殺人予告が届くなどの身の危険が迫ったことによるものではないか、と報じている。

任命式に出席したピニェラ大統領は「性の差別なく尊厳、権利、義務、機会の平等が与えられる社会は、男女間の争いなどではなく、男女が協力し合いながら苦しみもがくことで実現されるものであり、新大臣はこの複雑な課題を引き受けるに相応しい人物であると確信している。女性を取り巻く環境に関する政治問題は、女性省のみならず、すべての省庁、あるいは社会全体が取り組むべき課題であり、国民が一体となって取り組んだ際に初めて解決することができる」とコメントした。

(岡戸美澪)

(チリ)

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