チュニジアで外出制限令を5月4日から段階的に解除

(チュニジア)

パリ発

2020年05月07日

3月22日以降、外出制限令が発令されているチュニジアでは、5月6日時点で新型コロナ感染者数が1,025人、死者数は43人という状況下、政府は5月4日から段階的な外出制限令解除の実施に踏み切る。4月29日、ロブナ・ジュリービー首相付大規模事業担当相は、5月4~24日、5月25日~6月4日、6月5~14日の3段階に分けた解除に関する国家戦略の概要を発表した。

5月4~24日の第1段階では、食品産業、テレワークが不可能な業種、個人サービス業(理髪店やエステティックサロンなど顧客との接触を伴うものを除く)、および小売業全般(例外的に衣料・靴販売店、大型スーパー・デパートは5月11日から、青空市場や家畜市場は第2段階から)は全面的に再開する。サービス業全般(金融業は50%のみ)、自由業も同様に全面的に再開するが、製造業および公共工事部門は生産能力の50%、公共サービス部門も職員の半数による営業再開となる。

営業再開に際しては、マスク着用義務、社会的距離の尊重、手洗いの実施などの基本的な条件を満たすことが前提となり、テレワークが可能な場合はそれを優先するとしている。また、企業は従業員の交通手段を確保し、段階的な業務再開を指導する「Covid責任者」を指名することが義務付けられている。公共交通機関は通常の半分の運行に制限される。タクシーは車内2人までに制限する。これまで強制されている外出許可証の携帯は、第1段階では依然として必須となる。

一方、65歳以上の高齢者、15歳未満の若年者とその親、妊娠者、脆弱者、重度な病気を抱える患者はこの解禁の対象外となる。

5月24日からの第2段階では、モスク、カフェ・レストラン、一部の文化施設が再開し、政府は新型コロナ感染状況を検討の上、第3段階終了時点で経済活動の100%回復を目指す。

また、モハメド・ハムディ教育相は4月29日、全学年での2019/2020年度の終了を発表し、バカロレア(高校卒業試験)受験者(13万人強)準備クラス以外はすべての学年が休校を継続し、直接夏休みに入ることになる。

(渡辺智子)

(チュニジア)

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