ドバイ万博の延期が決定、新会期は2021年10月1日から

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年05月07日

2020年ドバイ国際博覧会(以下、ドバイ万博)を主催するドバイ万博公社(以下、公社)は5月4日、ドバイ万博の開催延期が決定し、新たな会期が「2021年10月1日から2022年3月31日」となること、またイベントの名称は「EXPO 2020 Dubai」を引き続き使用することなどを発表した。同イベントは、昨今の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響を鑑みて、会期の延期が模索されていた(2020年4月1日記事参照)。

公社声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、4月24日から遠隔で実施されてきた国際博覧会(BIE)条約加盟国による延期の採否を問う投票の経過として、延期決定に必要となる3分の2以上の同意が集まり、延期が確定した。これを受け、ディミトリ・ケルケンツェスBIE事務局長は「加盟国の迅速な対応に拍手を送る。5月29日に正式に承認されるドバイ万博の延期に対するサポートは、新たな連帯の兆しと協力を示すもの」と述べた。

採否投票が開始されたのち、参加各国の様子や意向については現地でたびたび報道された。オーストラリア政府代表のジャスティン・マクゴーワン氏は、4月29日に地元メディア「Construction Week」のインタビューに応じ、「予定どおり2020年10月に開催していた場合でも、われわれのスケジュールは計画どおりだった」として、パビリオン建設工事自体への影響は限定的だったという見方を示した。スイス政府代表のマヌエル・サルチリ氏は、「同国が延期に投票したこと、延期後の会期で参加する意向であること」をあわせて表明したと4月30日付の現地ビジネス紙「Arabian Business」が報じている。

ドバイ万博は2013年11月、BIE本部が置かれるパリで行われた第154回BIE総会にて、アラブ首長国連邦のドバイ首長国が116票を獲得し、開催が決定した。中東、アフリカ、南アジア地域での初主催の万博として、「心をつなぎ、未来をつくる」というテーマの下、約192カ国・機関の参加、2,500万人の来場が見込まれていた。

(田辺直紀、安井梓)

(アラブ首長国連邦)

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