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EU域外からの投資を監督強化、医療関連企業の保護に乗り出す

(ドイツ)

ベルリン発

2020年05月26日

連邦政府は5月20日、EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国外の投資家による医療関連企業の買収に関し、監督を強化する対外経済施行令(AWV)(注)15次改正案を閣議決定した。医療機器、医薬品や防護服などに関連する国内の医療分野の企業を保護、公共の秩序や安全を確保することを目的としている。

今回の改正では、安全性にかかわる重要分野のリストに医療関連企業が追加された。ワクチンや抗生物質、医療用保護具、高感染症の治療用医療機器などの製造業者が含まれる。従来は医療分野の企業にEU・EFTA域外から25%以上の出資を行う場合経済・エネルギー省への届け出が必要だったが今後は10%以上の出資が対象となる。

新型コロナウイルスの感染拡大対応において、当初、マスクの調達が困難を来したことや、海外からのワクチン開発企業など先端技術買収の危惧(2020年3月25日記事参照)などを背景に、医療分野の買収案件の審査強化が医療システムの維持に貢献するとして改正に踏み切った。

ペーター・アルトマイヤー経済・エネルギー相は、「今回の対外経済施行令の改正により、連邦政府が重要な医療分野の企業買収を認識し確認できるようにした。現在のコロナ危機により、医療ノウハウや生産能力をドイツや欧州で保持することの重要性が示された」とコメントした。

これに対し産業界からは経済界からは批判の声が挙がっている。ドイツ化学工業会(VCI)は、ドイツと欧州は知識の交換や国際協力を推進するための外国からの投資を必要としており、ドイツへの投資規制は進出先としての競争力やコロナ危機からの回復をはかる足かせとなるとした。

また、ドイツ産業連盟(BDI)は、特にコロナ危機が続く現状で対内投資に対するさらなる障壁の導入は不要で、ドイツが開かれた市場だと示すことは従来以上に重要だとして政府の判断に疑問を呈するコメントを発表している。

(注)対外経済法施行令(AWV)は貿易や投資に関する規制を定めた対外経済法(AWG)の施行細則にかかる政令。

(中村容子)

(ドイツ)

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