米オレゴン州、早ければ5月15日から一部経済再開の見込み

(米国)

サンフランシスコ発

2020年05月13日

米国西部各州が経済再開に向けて動き出す中、いまだ経済再開の時期が明らかにされていなかったオレゴン州のケイト・ブラウン知事は5月7日、州の経済再開に向けた計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。一部小売りは5月15日から州全域で再開可能となる。その他業種の再開は州の各群で、3つの段階に沿って行われる。

第1段階では、最大25人までの集会が認められることに加え、州政府のガイドライン(注1)の必要事項を順守した上で、レストラン・バーの着席サービスや理髪店やサロンなどの個人向けサービスの営業が再開可能となる。ガイドラインの概要は次のとおり。

(1)レストラン・バー

  • 各テーブルは、少なくとも6フィート(約1.8メートル)の間隔を空けること。
  • 全ての従業員はフェイスカバーを着用すること。雇用主は従業員にフェイスカバーを提供しなければならない。
  • アルコールを含めて店内での飲食は、午後10時までに終了すること。

(2)個人向けサービス

  • 予約前に、客に咳や熱、息切れの症状の有無および過去14日にこれらの症状を持った人や新型コロナウイルス感染者との濃厚接触の有無を尋ねること。質問のいずれかでも該当する場合は、予約を再調整すること。
  • 雑誌や新聞、サービスメニュー、スナック、飲料など不必要なものは全て除去すること。
  • 客およびサービスを提供する従業員のペア同士の間の距離を少なくとも6フィート確保すること。

第2フェーズに移行する前に、第1フェーズは少なくとも21日間、維持される。第2フェーズでは集会の人数制限の緩和や一部のオフィス業務が再開可能になる予定だが、感染者数の著しい増加がみられた場合には、第1フェーズから自宅退避令の状況に戻る可能性もある。第3フェーズでは、コンサートや観客を入れてのスポーツの試合などが可能になる。ただし、感染症の信頼できる治療法やワクチンが開発されるまで第3フェーズには移行できないとし、大規模な集会は少なくとも9月までは中止または見直しをすべきとされている。(注2)。

州内各郡は第1フェーズに移行するために、新型コロナウイルスの感染者数の減少や、十分な検査体制や感染の追跡能力の構築、新規感染者の隔離計画の策定、感染の再拡大に備えた医療体制の整備、医療従事者への十分な量の個人用防護具の供給などの条件を満たしたことを示し、州知事から承認を必要がある。早ければ5月15日から第1フェーズへの移行が認められる。5月12日の時点で、州内36郡のうち既に33郡が州政府に移行を申請し、審査の段階にある。

北西部ではアイダホ、ワイオミングも5月から経済再開

アイダホ州は4段階の計画PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に沿って、経済再開を進めている。5月1日から始まった第1段階では、レストランでの店内飲食や屋内のジムなどを除き、9割のビジネスが制限付きで再開可能になった。また、ワイオミング州では、5月1日から、ジムや理髪店など個人向けサービスが、施設内の収容能力や従業員のフェイスカバーの着用など一定の制限付きで再開が認められた。

(注1)ガイドラインは業種ごとにオレゴン州政府のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。

(注2)第2および第3フェーズの詳細は、州政府が今後公表する予定。

(石橋裕貴)

(米国)

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